古・フランス
旧朝倉家住宅で手延べガラスを堪能した後、借りていたものを返すためにフォトムトリに立ち寄る。
少し話をした後、ふと気になったモディファイレンズを3本出してもらってなんとなく見せてもらう。
昨日の時点ではダルメイヤーが少し気になっていたのだけれど、購入に至るほどではないだろうなと高を括っていたが、運が悪い事に3本のうちの別の1本がドストライクだった。
どうやら線の細い描写には抗えないらしい。
「もう欲しいレンズはない」ってのはあくまでも自分の知識の範囲ではと言う意味で、古いレンズの新しい知識と実物を見せられたらそれが欲しくなってしまうのは自然な事。
購入を決めた後も色々話をしながら試写をさせてもらった。
帰り道の猫じゃらし。
ピントピークの解像感はものすごい、毛の1本までしっかり写る。
後ろボケが変に暴れることもなく100年前のレンズとは思えないぐらい落ち着いた描写をしてくれる。
HERMAGIS PARIS 1:3,5 LYNX F=50mm!
イヤッッホォォォオオォオウ!!
フランスレンズと言えばアンジニューが有名だけど、このエルマジー リンスクの描写も実におフランス的な雰囲気。
1910〜1920年ぐらいに作られたらしいので、約100年前の第一次世界大戦前後あたりのレンズだ。
かなり小さいレンズで付けていても付けていないような軽さ。
チェコスロバキアのOKAM社が作ったOKAMというボックスカメラについていたのものと、Mollier & DemaisonのLe Cent Vueに焦点距離違いのものがついているのをネット上で確認できたが、これらはこのレンズよりもシリアルナンバーが結構後なのでこのレンズ自身の出自は定かではないまま。
あと、どうでもいい寄りの事でひとつ気になったのが、レンズには「ANASTIGMAT HERMAGIS PARIS 1:3,5 LYNX F=50mm」と書かれているのだけど「HERMAGIS PARIS ANASTIGMAT LYNX 1:3,5 F=50mm」じゃないのかな?間にレンズ銘入れる?ANASTIGMATって名前の前に入れない?
他の似たやつは後者のタイプの刻印だったのになんでこいつだけ?
考えてもわからないし、まぁいいか。
家に帰って猫でも試写。
解像しつつもちょっと滲む感じがたまらない。
Typ240でもちょっと撮ってみた。
カラーでもバッチリ使える。
また変なレンズが増えてしまった。
まだギリギリライカがない(ウルライカが1914年)時代に突入し始めたが、これ以上古い135mmレンズはそうそうないだろうな。
最高だ。