Leica M10-P ショートレビュー
気がついたらM10-P購入から3ヶ月が経っていた。
まだ先月ぐらいの感じでいたのだけど、おじさんになると時が立つのが異常に早い。
せっかく思い出したので、日常的に使ってみてどうなのかって感じのレビュー的な物を書いてみよう。
ちなみに前に書いたファーストインプレッションなやつ。
まずは見た目。
Typ240以前のデジタルボディよりも薄くなった。
ぱっと見ではそんなに違いがわからないが、並べて比べたりM10-Pに慣れた後にTyp240やM9を見るとものすごくぼてっとしているように見える。贅沢病。
調べていないので真偽のほどは定かではないけれど、フルサイズカメラの中では最薄なのでは。
薄さ以外は基本的に今までのPモデルと同様で、オールドレンズとのスタイリング的な相性もいい感じ。
というかうちのM10-Pに現行レンズが装着される日は来るのだろうか。
各パーツの使用感について。
まずは電源。
変更点としては小さいのだけど、これがすごくいい。
電源スイッチがオンオフのみになったことでTyp240の時にあった”オフにしていたつもりでレバー操作をしたら連射になった”みたいなことが起こらなくなった。
M型を使っていて連射をしたいと思ったことはまだ1度もないので、これは非常にありがたい。
一応メニューの中にドライブモードの設定はあるので連写型スナップシューターの人も安心。
赤ぽっちが見える方は逆じゃないの?と思うこともあったけど、それはまぁ瑣末なこと。
ISOダイアル。
カチッと引き上げて回すのが煩わしいと思っていたが、前の晩にISO800で撮っていたのを忘れたまま翌朝のスナップで無事死亡みたいな事故がなくなった。
カメラを掴んだ時点で設定がわかるありがたさ。
次に背面液晶周りのボタン。
当初は「少なすぎないか?」と思っていたが、そこまで設定をフレキシブルにいじくり回すようなカメラでもないし、Typ240やM Monochromと比較しても操作性が落ちたようには思えない。
むしろ見た目がすっきりしているのに馴染みすぎて、ボタンやダイヤルの多いカメラには戻れない気がする。
セレクターレバー。
使わないけど、あると格好いいからそれだけで十分。
個人的にはなくて困ることは絶対にないと言い切れるが、これがあるだけで前面の収まりが違うのであっていい。
飾りとして最高に格好いい。
タッチパネル。
使わない。マジで使わない。
十字ボタンの寿命を延ばす為だけにあるのではと思うぐらい使わない。
今これを書く時まで存在自体が忘れ去られていた空気のような存在。
そして最後に背面液晶。
これはM10からだけど、フォントに人権を感じる。
今までのフォントは何だったのだろうか。
フォントぐらいでガタガタぬかすなって話ではあるかも知れないが、このスマートフォン時代にオフコンの様な情緒あふれるフォントは正直辛かった。
ビゾフレックスはサムレストが鎮座していて、動かすつもりもないので購入予定はなし。
Typ240の時にEVF2を持っていたのだけど、同じ理由で結局ほとんど使用しなかった。
さらに言ってしまうと、装着時の不格好さが我慢ならない。
距離計非連動のレンズが欲しくなる時もたまにあるのだが、これのお陰で我慢できている。
レリーズ音の話はもういいでしょ。
すごい静かだよ。
そして写真。
撮れる絵に関しては入手当初にTyp240との差に結構戸惑ったけれども、今ではすっかり慣れてしまった。
あれだけ好きだったTyp240の描写も忘却の彼方。
いや、さすがにそれは嘘。
Typ240が生み出す独特の落ち着いた描写は忘れられない。
良くも悪くも尖った所がないと言った感じで、Typ240の個性に頼り切ってきた身としては撮影者の腕が露骨に反映されてしまうのが泣き所。
個性なんて最悪レアなレンズで殴ればいくらでも出せる。
足りない腕は機材で補おう。
ビバ!オールドレンズ!ウェルカム収差!
まだ夜間の本格的(?)な撮影に使用したことはないが、月末の旅行では夜の撮り歩きも予定しているので高感度撮影の雰囲気もわかると思う。
最後にWi-Fi、やはりてめーはダメだ。
Leica FOTOSアプリがリリースされ、カメラと接続した後の使い勝手は結構な向上ぶりを感じるものの、カメラ側のWi-Fi起動が絶望的に遅い。
ここの開発担当者はWi-Fiに村でも焼かれたのか?
そのあたりはFlashAirの方が数段上を行っている印象。
ただ、FlashAirは電源オンで勝手にWi-Fi飛ばしてiPhone側のインターネット接続を殺すのがあって一長一短な所もある。
M10-Dが発売されてM10シリーズが完成した感じもあるので、モノクローム待ちの人以外はPかDのどちらかに転んでしまってもいいのではないかと思う。
数年後に発売されるであろうM11(-P)にSS 1/8000が搭載されてしまった暁には共に発狂しよう。